迷子になりつくした日の話。
よし!久留米の花伝に行こう。
その日の朝、目が覚めたら突然、そう思った。
実は、少し前に一度行ったことがあるのだが、生憎閉まっていたのだ。
子どもたちを送り出し、バタバタと身支度を整え駅に着くと
タイミングを見計らったかのように目的地行きの電車がホームに滑り込む。
ガラガラというほどではないが、ラッシュアワーは過ぎているのか、全体にみんなゆっくりで、思い思いにケータイを弄ったり、外の景色を眺めたりしている。
私もドアすぐの座席に腰掛かけ、地図を確認する。
以前は車で乗せて行ってもらったけど、今回は自分ひとり、しっかり見ておかないと
と、何度も乗り換え電車から歩く道順から見る。
ん?なんだか見慣れない文字が飛び込む。
いや、普段の生活範囲を飛び出してるから見慣れなくて当然なのだが
何か違う。
もう一度、駅名を確認して、周辺地図を見直す。
大城という地名が目に飛び込む。
私がもうすぐ到着する予定の駅は「大野城」
”の” がついただけで、全く違う場所!!
ショックのあまり、手が震える…どうしよう…
とにもかくにもひとまず、急に用事のなくなった駅におりる。
このまま逆戻りするのも癪だし、せっかくなので周辺の気になっていたショップをケータイを駆使して見つけ出す。
ユビサキノジュウニンというお店!近くじゃない?!
と、思ったのもつかの間。
どうやら月曜日定休らしい。
他の店を探そうー!!(涙)
駅に着いてから10分。グリーンを扱っているらしい雰囲気の店を見つけ
やっと歩き始める。
住宅街?を歩くこと20分くらい
行き過ぎたり、曲がらなくてもいい角を曲がったりしながらたどり着いた場所には
可愛らしいお店が出現♪
主に切り花、多肉や室内観葉もお洒落に置かれており
個性的なものもちらほらホヤとかベゴニアとかマッソニアとかユーフォルビアとか…素敵にお店にマッチしていて、植物と生活の距離感を教えてくれているような気になる。
店の方に、この間の雪で多肉がだいぶやられた話とかを聞き。
店を離れる。
次は博多でも行って、チョコでも物色しようかという気になって
戻りの電車に乗る。
駅について、ふと思い出す。
なんか、蘭の専門店がこのあたりにあったような?!
お得意の検索で探し出す。
チョコはやめ!!
せっかくだから蘭でも見よう!!
完全に植物脳に切り替わっている模様。
お昼時のカフェにも目もくれず、ショップ最寄りのバス停を通るバスを探す。
…しかし。分からない!
どのバスも通るのかもしれないがどうやらルートがバラバラで
4分でつくのと35分かかるやつがあったり
天神周辺を循環しているとかいう100円バスの存在が事態を余計にややこしくしている。
検索で調べても、18番とか4番とかもうそれをどう探せばいいのか
分からない。行き先がバラバラで多すぎるのある。
博多駅め!
ひとまず当たりをつけて、バスに飛び乗る
が
乗った瞬間に分かった。これ違う…
100円だけ払って駅の目の前のバス停で降りる。
…なるほど。ものすごく近くに一つ目のバス停があるのはこういうやつのためにか。
今度は、ルートも確認しての…るらない!
やっぱり乗らない!!
ホントにこれでいいのか?!
失敗の経験は、ときに人を疑心暗鬼にさせる。
もう一回確認したら最短距離でいくやつだった…涙
次回の同じルートは30分後♪
諦めて別のバス!!
次は間違いなく通るやつである。意気揚々と乗り込み外の景色を見る余裕まで生まれる。
しかし、10分ほど走ったところで気が付く。
これは…遠ざかってないか?ホントにつくのか!
結局、いったんは徒歩10分圏内まで近づいたのにそこから離れていくこと甚だしいので我慢できずに降りて
歩く。
下りた場所がどこなのか分からないので
ケータイ様のグーグル機能で案内してもらう。
本日二度目の道案内
充電は残り30% 頑張ってもらおう。
どうやらまたもや徒歩20分コースらしい
ひたすら住宅街をくねくね行く。
どうやら目的周辺に来たようなのだが、それらしき店はないような?
それらしきビルとかマンションの入り口を見るも、お店はやってない風である。
と、どこかのblogで○○ビルの一階ですごく分かりづらいと、あったのを思い出す。
肝心の、なにビルかは思い出せないが、ラッキーなことにビルと名前がついているのは
目の前のこの建物だけのようだ
静かな建物だし間違ってたら恥ずかしいしでドキドキしながら
一階フロアを見て…見て?!
電飾ピカピカで黒板にメニュー手書きのパブっぽい感じの部屋がドアを大開にしている。
ここだろうか?…なんか違うかも。
でもなぁ~せっかくここまできたしなぁ~と、行きつ戻りつしながら
廊下の突き当りまでは行くことを決めて、ギラギラのドアの前を通り過ぎる
と、そこには、普通のアパートみたいなドアが。
多分、店の名前と『ノックしてください』の手書きの文字。
あった…ホッとしたのと期待と緊張で、力弱くコン…コンッとノックした
すぐに男性がドアを小さく開き
「あ、店の正面に回ってもらえますか?」という
どうやら入り口は反対にあるらしい
え~ここら辺何度も見たんだけれどと思いながら、伝えられた大きな鉢植えの木を目印にたどり着く。
ここかー!!
分かりづらい上に、一回通り過ぎたとき向かいの可愛い店にみとれていた!
こうして無事に、店の正面にたどり着いたとき
私のケータイは静かに真っ暗になった。
ありがとう
ここまで導いてくれて
私は乱暴にコートのポケットにそれを押し込み、引き戸をカラカラと開けた。
その中の様子は画像には残っていないが、打ちっぱなしコンクリートの壁に大きなカウンターと根をいっぱいにはりだした蘭で溢れるお洒落空間
咲いている蘭の花のせいだろうか、どことなく湿った甘い香りが漂ってくる。
たくさんの蘭に酔いながら、いろいろなことを教えてもらい(やっぱりあの雪の話はここでもでた)充実した気持ちでいっぱいになった。
時間すら分からないケータイをポケット入れたまま
帰りもまた、一時間と少しかかって(本当は半分の時間でいいはず)、家にたどりついた。
もちろん、道を間違えたり、色々したが、さすがに割愛。
お迎えしたのはコチラ
一件目のお店で、寄せ植えにしようかなと
賑やかそうな多肉を二種。
二件目のお店で、エピデンドラム・パーポックスとかいう蘭を。
簡単な育て方のカードまで場で書いてくださいました。
このくらい大きさ♪
花の色も薄緑っぽくて(クリーム色っぽくなるとか)可愛らしい♪
ゆっくり見て楽しんでください。
と、ニコニコの笑顔で言われたので、今夜はお酒の栓でも開けようかと思う。
クリックいつもありがとうございます♪